便に怯える入所者達

昨夜はちょっとした騒ぎが起きた。

いつも通り廊下を歩いていると、何やら入所者のおばあさんたちが集まってひいー!と騒いでおり、急いで向かうと、おばあさんたちの輪の真ん中に、まさにウンコが堂々と…。

ただの(っていうのもおかしいけど)かりんとう型のウンコなのですが、おばあさんたちはみな怯え、中には自室のドアの隙間から片目だけ覗いている方や、「おそろしや!」といって逃げ去る方もいまして大騒ぎ。

私といえば、綺麗な形のままで上手にウンコを運んだものだなと感心するばかり。

入所者の中に、トイレで用をたしたあと、自分の手を便器に突っ込んで、ウンコをすくい上げてしまう方がいたので、今回はたまたまそれを外へ持ち出してしまったんだろう。

私はビニ手をはめた手でそれを拾い粛々と処理。

特別なことでもなんでもないんだけど、周りでひーひーと騒いでいたおばあさんたちが妙にかわいらしかった。

噛みつかれたり、引っ掻かれたり

介護って、実はいわゆる「3k」の仕事って世の中の皆様ご存知ですか…。もうね、噛み付かれる、引っかかれるは当たり前なんですよ…。きつい、汚い、危険、そして安月給。

今日も、入浴介助(お風呂に一人で入れない人、または一人で入らせると命の危険がある人のお手伝いやら見守りやらをすること)で、

「なんであんたたちはこんなことするの!!!」

と認知症で要介護3の女性の方が暴れる暴れる…。80代なんで戦時中の話が結構多い方、
現在の(昔は人格者だったらしいんだけれども)性格は一言で言えば「下品」。

うん。
介護職員への暴力は毎日当たり前、
セクハラ発言やら暴言もあるんだなぁ…。

男性の入浴介助をし終えると必ず、

「あんたいいもん見られたかね~??」

「触り放題だったんだろ~??」

って声をかけてくる…。

あのね。悪いがあんな萎れたおじい様方のを無理に見なくても大丈夫なくらい事足りてますっての。

で、今日のお話に戻りますが。

まず、お風呂に入ってもらうのに声をかけたんだけれども、

私:「○○さん、お風呂が沸いたから入りましょう?」

その女性:「なによ!!あんたたちそんなに私の裸が見たいの?!!」

大きな声で叫び…暴れ始める。その際、転倒する恐れ有り、私、その方を傷つけないように脇を支えるも引っかかれる…。

血圧高いからプッツンとこられても困るので、私なだめるのに必死…。

え。

私の何がいけなかったのかしら…??

きっとお風呂に入りたくない何かがあるんだろうと、それからその方を一番最後に入ってもらうことにして、いざその方の番!!!

今度は私ではなく違う職員が声を掛けるもダメ。しかし。その方のご家族の要望で、

「極力お風呂にはいれてください。」(いれてください、という言い方もどうかと思うが。)とのこと…。入れてないと臭いでわかりますから…と暗に言われているので仕方なく職員総出でその方の入浴介助開始!!!

ええ、お風呂場にお連れするまで私も他の同僚も引っかかれるわ噛み付かれるわの大騒ぎ…。痣ができても当然のように労災なんておりない…。

で、ご本人、お風呂を終えて一言。

「ああ~。やっぱりお風呂が一番だねぇ~。」

ですって。

もしかしてわざとやってる???とも思えるけど、あのさっぱりした顔を見ると少しは報われる。

その方の入りたくなかった原因は“おもらし”。まぁ、大体見当は付いてたんだけれど、おもらししたことを知られたくなくてお風呂を断固拒否していたのでありました。毎回毎回のことだからもういいけれど。

ただ、今回の噛み付き方は尋常じゃないよぉ…。青いし腫れてるしくっきり歯の跡が残ってるし…。

入れ歯なのに!!!!

離職率、右肩上がりよこのままじゃ…。職員の利用者さんへの虐待は問題視だけれど、
利用者さんからの職員への“暴言、暴力”は問題にすらならないし、あったことすら事実でなくなるんだから。

ホント、なんでこの仕事してるんだろう…。

介護士のやり甲斐

うちのフロアの入所者にはお上品で、控えめな人が結構多い。年を取ったらこういう人でありたいなぁと思う。でも、控えめでお上品な方々ばかりと接していると、「介護士やってて良かった!」と思えなくなった時期があった。

なんていうんだろ。大変な人のケアに成功した!的なやつ。

でも、家族の言葉でやる気が出たのでそのことを書く。

その入所者さんは、脳梗塞の後遺症で右片麻痺で、日中は車いすでの移動生活(見守り要)。脳梗塞になる前は右利きだったみたいだけど、今は当然左がメイン。意思の疎通も失語があってちょっと難しい。元気な頃から口数が少なかったみたいだけど…。

で、長女さんが訪問した時のこと。その入所者さんがトイレに行きたくなったんだけど、トイレ介助は施設の人がいい!と長女さんにジェスチャーで伝えたようで、たまたま通りかかった私が介助することに。いつもと同じようにこなしたんだけど、終わった後、『いつもありがとうございます。私には絶対にトイレ介助をさせてくれません。とても助かりました』と長女さんが言ってくれた。

施設では普通にできていることでも、実は結構いいことやってるってあるのかもね。日々頑張ってるってことなのかなぁ。

やり甲斐ありました!

肩たたきが文字通り飛んできた

ナースコールが鳴る。

203号室のMさんは用事がなくてもナースコールを押す。

他の職員が「また呼んでる…」と愚痴をこぼすほどMさんは呼ぶ。

でも私は用事がないならそれでいい。

100回押す中の1回に本当の理由があるんじゃないかと思ってる。

ただその日は、他の救急対応が3件も重なり「後でまた来ますね」と言葉を掛けその場を去った。
ようやく落ち着きMさんの部屋に行くと、肩たたきの棒を投げられた!!

よけることができず一瞬で視界が悪くなり何が起きたのか分からなくなった。
Mさんが投げた肩たたきが私の眼鏡に命中。眼鏡のレンズは粉々に。

眼鏡を片づけMさんをみると申し訳なさそうにしているも少し怒っている。失語があるMさんは伝えたいことが伝えられない。部屋の周りをみるとベッドの隙間にミカンが落ちている…。

拾ってほしかったから何度も呼んでいたんだ…肩たたきの棒で拾おうとしていたんだね。ごめんね。

眼鏡はこわれたけど、謝ってミカンを渡すとMさんはにっこりと笑ってくれた。

笑顔のボタンって知ってる?

介護職の仕事では毎日色んなことが起きます。車で15分の出勤途中は今日は何事もなければいいなぁなんてお願いしならが運転してます。

タイムカードを押して申し送りを受けるとさぁ戦いの始まりです^^。

○○さんディサービスに行かないって言ってお迎えの人が困ってるよーとか、

家に帰るって言って服や荷物を段ボールに入れて荷造りしてるよーとか

そんなのは日常茶飯事で、中には熱が出てるとか居室で転倒して昨日入院したんだよなんてこともあります。

何事も起こらない日なんてほとんどありません。でもとても嬉しいこともあります。

無表情で話もしない車イスの女性利用者様が居るのですが、この方は古くから働いている職員にしか笑顔を見せません。

しかもそれも滅多にないことですが、ある朝、私がベッドから車いすに移乗のお手伝いをし、「今日の朝ご飯はなんでしょうね」と声を掛けた時にニコッと笑顔をみせてくれたのです。

笑顔のボタンを見つけたけど教えてあげないなんて言いながらほかの職員の人に自慢をしました。

笑顔のボタンを集めていくのはちょっとした楽しみです。

若いけど若くない

30歳間近というと世間一般的には「おばさん」と言われる歳になってくる。実際に子供とかに会うと「おばちゃん」なんて呼ばれる。

自分でも、もう若くないんだなぁと思ったりしている事もあったりするし、疲れやすくもなってきたと思う。

だけど、仕事場に行くと別。だって周りは80~100歳位の、おばあちゃん、おじいちゃん。
「若いからいいねぇ」「若いんだからさ」なんて言葉をよく掛けられるし、まだまだ「おねえちゃん」なんて呼ばれる。

元気のイイおじいちゃんになると、おしりを触ってきたりもするし、寝る時間になると「一緒に寝てくれや」なんて言ってきたりもする。こういうのは正直いって嫌な気持ちにしかならないし、年寄りなんだからいい加減に落ち着けよとも思ったりもする。

だけど「若い」とか「ねえちゃん」とか言われるのは嫌な気はしないし、ちょっと嬉しかったりもする。

だけど、もうじき30歳。ちょっと不安な気持ちになってくる。

高齢者同士の恋愛

介護の仕事は世間のイメージと違って、毎日刺激があるし、笑うことが多いので楽しく働いているんですが、高齢者同士の人間関係のフォローがたまに大変です。

特に高齢者同士の恋愛は結構大変でした。可愛い感じの恋愛で終わればいいんだけど、結婚したいとかまで行くともう手に負えない。その当人だけで済む問題じゃなくなるし、財産とかにも絡んでくるから、お子さんたちも「本当にそれだけは止めてくれ!」って大変そうでした。

そりゃあそうですよね。お子さんだって60歳とかなのに、ここから複雑な家庭になっても誰も得しないですしね。

混乱したお子さんは施設側の管理の問題だと言ってきた時もありましたけど、誰かのせいにしたかったんでしょうね。結局そんなラブラブだった二人は、三か月くらいであっという間に別れの修羅場になりました。

「あの人が毎日部屋に来るのよ。もう嫌になっちゃって。。」

「俺は別れる気なんかないからな!」

と、周りを巻き込んでの大騒動になり、結局どうしようもなくなっておじいさんが退去していきました。

年を取っても恋心を忘れないのは素敵ですが、もうちょっとスマートに恋愛してもらいたいものだと思いました。もしかしたら女性限定、男性限定の老人ホームが流行るかもしれないと思いました。

同僚の結婚を喜べない…

同僚が「結婚」の逃げ道へとまた一人逃げました…。
どうやって出会ってんのよぉ〜!!
同じ職場に同じように勤務してて出会いの場に行ける時間なんて私には作れない…。

だってね。
過酷なんですよ、介護の現場って。

まず、毎日すること決まってて、その他に曜日ごとにすること決まってて、その仕事をする時間も決まってて。
なのに決まった時間に決まった仕事を終わらせられることなんてホントに奇跡。
お風呂の時間は決まっててもお風呂の時間なんてオーバーすることが当たり前。
毎食遅れること当たり前…。
基本、いつも人員不足、事故がないのが不思議で仕方がない。
記録の仕事なんて業務時間が終わって、タイムカードを押してから。

夜勤の時なんかもっとひどい。
2時間くらいだけどひとりで40人を相手にするなんて当たり前。
いや、仮眠の時間なんて取れませんて。

だって、

「家に帰らせなさいよ!あんた達、私をここに閉じ込めて何がしたいのよ!!!」

って、昨日も70代の、“私はしっかりしてるの”が口癖の認知症の、

しかもADLはしっかりしているおばあちゃんが暴れだす始末…。

「息子さんか旦那さんが迎えに来ないと帰れないんです…。ごめんなさいね。」

なだめるも聞いてもらえるわけもなく。一緒に夜勤に入った50代の同僚はお手上げ。

「若いんだから今のうちに苦労しときなさい」

って先に仮眠室に引っ込んじゃうし。
私、仮眠とってないけど?!!

夜勤から帰ったらもう寝るのが先。
友達のお誘いなんてそっちのけですよ。

日勤帯だろうと疲労度は変わりません。
夜勤帯よりは日勤のほうが人員が多いけれど仕事はもっと多いわけで。

どの勤務時間帯でもヘトヘトで帰路につくんですよ。

帰りのコンビニでパンとかお弁当とかすぐに食べられるものを買って、
帰りついたらそれをかき込んでお風呂なんて沸かす気力もないからシャワーで済ませて速攻ベッドへ。

部屋の掃除、いつからしてないんだっけって部屋のホコリを見ながら見ない振りしてねる。

連ドラなんていつから見てないかなぁ…。

転職考えるけど転職先を探す時間すらない。
いや、私が作れないだけなのかもしれないけど。

明日から、ひとり少ない人員で…
やってかなきゃいけないのかぁ…。

逃げたい。

介護士の給料問題

専門学校を卒業した後、介護士として勤務を始めたけれど、学生の頃に思っていたような、社会貢献の世界では無かった。

学校ではお年寄りとのふれ合いや、お年寄りに過ごしやすい環境を目指すという内容を勉強してきたけれど、30歳近くなってくると、そんな事は理想論に近かったと思える。仕事自体は嫌いじゃないし、内容もいいと思っている。

けれど、人間関係が非常に悪い。
何故かというと、経営者側は大体が、実際現場経験の無い人が多いから、現場との意見がくい違ってくる。現場は、一人一人のお年寄りにあった事をやりたいと考える人が多いけれど、当然経営者側はそんな事は求めてはいない。

入居者を増やしたり、退去しないようにする事が一番だから。

どこの会社も利益を上げる事が一番なのだろうけど、介護の場合は人を相手にしているので、どうしても感情が先に来てしまう。

色々考えて仕事をしてきたけれど、もう30歳間近。
給料も少ないし、どうしようかと考えている今日この頃。とりあえず休みの日に訪問入浴のバイトでもしようかなぁ、でもしんどいかなぁ。

介護の仕事は大変ですが遣り甲斐もあります

介護の仕事をしていて、よく人から言われる言葉が「大変な仕事だね」です。

確かに体力仕事ですし、利用者さんと意思の疎通ができないという事で、心労も溜まりやすいです。ストレスで職場の同僚同士もギスギスする事もありますし、人手が足らずになかなか思うように休みもとれません。

ですから出会いもそんなに多くなくて、婚期も遠のいてしまいやすいです。私なんてずっと独身で、このまま30代突入かななんて悲しく思っています。

しかし利用者さんからの「いつもありがとう」「貴女に見てもらえて助かる」の一言が、すごく力になるのです。仕事の合間にお話しを聞く機会があるのですが、そんな時に若い頃の写真を見せてくれたり、こんな事があったと想い出話しをしてくれる方もいます。楽しくて、こういう時は「この仕事をしていてよかったな」と思えるのです。

これからはご家族の元で暮らす為に施設を出る、という方に、お手紙を貰った事もありました。
そこには「いつもワガママばかり言っていたのに、貴女は嫌な顔一つせずに聞いてくれました」と書いていました。
「明るいその笑顔を見ていると家族にあまり会えなくても寂しくなかった」とあって、凄く嬉しくなったのです。

大変ですが遣り甲斐は確かにある仕事なので、介護職を目指す人が増えてくれると嬉しいと思います。