信頼関係が一番大事

利用者さんのなかには、入浴をお誘いしてもどうしても嫌がるA さんがいっらっしゃいます。

認知症を持っていて、「今日はもう入ったの。」等仰って頑に断られます。
そんな時は無理にお誘いしても逆効果です。隣に座ってじっくりお話を聞きます。

楽しかった思い出、辛かった思い出等を真剣に聞き、自分のプライベートの話も時々聞いてもらいます。

そうしていくうちにちょっとずつ信頼関係が築かれます。

名前を覚えてくれたりもしてくれました。
その上で、「私と一緒にお風呂入りませんか?」と聞くと、「あんたとだったら入ってもいいよ。」とAさんが答えてくれました。

私は本当に嬉しくて、達成感ややりがいを感じました。

その後、Aさんは私がいる時は入浴出来るようになりました。

次第に施設での入浴に慣れていき、他のスタッフがお誘いしてもスムーズに入浴出来るようになりました。

Aさんはお風呂に入る度に「極楽だね〜このまま死んじゃっても良いくらい気持ちいいね。」と言います。

心地よい時間が提供できるようになって良かったなと思います。

介護は様々な技術が必要とされていますが、信頼関係を構築できることが何よりも大事なことだと実感しました。

ある夜勤

長い夜勤が始まりました。
夕食の介助、就寝介助を終え、時間は22時。

静寂の中でワーカー室より鳴り響くナースコールの音。
響くのがナースコールの音だけの日は、
「あ、今日は当たりだな」
そう思ってしまいます。

不穏で眠れない入所者さんがいる日は夕方から朝まで一緒。
入所者さんの終身介助、排泄介助、離床介助、食事介助・・・
全ての介助でその入所者さんと共に動くことになります。

問題は常に車椅子を押すことではなく、介助をしている際に隣で立ち上がられ、動かれ、口に物をやり、周りに手を伸ばされる事。

こうなるとひとつひとつの仕事が徐々にずれこんで行きます。
ふと気付けば朝の排泄交換、更衣・離床介助の時間になり、そこからは嵐のような朝が始まります。

焦ってミスをしてはいけない気持ちと共に、間に合うように慌ててしまう自分。
こんな時に限ってたくさん同時に鳴り響くナースコール。
「はい、すぐ伺いますね」と答え、頭の中で順序だてをしつつも2人待ち、3人待ちとなり頭の中がパニックになります。

そんな夜勤明けは体がぐったり。
崩れる事を予想して塗ってきた薄化粧も汗で完全に崩れてしまいます。

今日はそういう日に比べると平和な夜勤。
「はーい。今伺いますね。」
私はそう返事をし、夜勤をすごしていくのでした。

白髪のきれいなお婆さん

白髪というか銀髪のお婆さんが入所していた。
髪がすごくふさふさで本当にきれいだった。

80歳後半、足腰はちゃんとしてて自立してた。

特に病気とかなかったのだけど、1人は不安だからって家族さんが入所させた例。
わかんないけど、施設に寄付とかするくらいのお金持ちの家族さんだったと思う。

で、そのおばあちゃんの部屋の隣の部屋に、車いすで、ちょっと鬱の入った認知症の80歳くらいのお婆さんが入所してた。

で、車いすのお婆さんの入浴の順番が来たので、ある日訪室すると、銀髪のお婆さんが遊びに来てて、ずっと髪をすいてあげてた。

「女は髪よ」

って。車いすの方はけっこう気難しいのに、割と嫌がらず嬉しそうにしてて驚いた。

その日は機嫌も良くて、いつも嫌がるお風呂にもスッと行ってくれた。

で、ことあるごとに髪をすいてあげてるとこ目撃するようになってたら…。

車いすのおばあちゃん、どんどん髪がきれいになっていった。

ブラッシングするのって大事なんだなぁって思った。

それだけで、笑顔がどんどん増えた。まさに「女は髪」。

ある日突然、白髪のおばあちゃんが脳出血を起こして亡くなった。

車いすのおばあちゃんは本当に悲しんで、でも、ブラッシングは自分で続けてる。

生活の小さなことが、心のハリになるって話でした。

家族経営の施設ってダメだよね

私が前に勤めていた介護施設は家族経営で、そんなに歴史はありませんでした。

介護職を目指して初めての職場だったので、緊張の毎日。

開所して間もないことから利用者の数も少なかったんです。
慣れない私に対し「利用者の立場になって考えるように」と管理者から口辛く飛んでくる、そんな日々を送る新米介護士のころの思い出になんとも言えないものがあります。

毎週金曜日はお出かけの日でした。
買い物したりドライブしたりという私たちにとって些細なものですが、外出が難しい高齢者にとっては「この日だけが今の楽しみ」というお婆ちゃんも。

しかしどこにお出かけするか当日まで決まってません。

「適当にドライブでいいんじゃね」という主任(主任は管理者の娘)。お婆ちゃんの今の生きがいが現場のやっつけ感で流れていることになんとも言えない気持ちなります。

結局この日はドライブがてら海を見ることになりました。しかも降車することなく車内の窓から眺めるだけ。「今日も楽しかったよ」とお婆ちゃんの言葉にいつも考えさせられます。

介護の知識も経験も入職して日も浅い私でしたが、もっと利用者の立場になって考えてくれる施設で働きたいなと思いました。

やっぱ家族経営ってダメだよねぇ。

友達が介護施設で働き出した

友達が、ある地方都市近郊の高齢者介護施設で働いています。

介護の専門学校を卒業して、介護福祉士の資格を取り実務経験を積みながらケアマネジャーなどの資格を目指して頑張っています。

友達が働いている施設では要介護度2から5までの利用者の方達がすごされているんですが、介護職員は数人単位のチームを作り、利用者さんをグループで分けて介護しているそうです。

毎日のように同じグループの利用者さんたちと顔をあわせると、名前や顔を覚えてもらって今まで頑固で一言も話してくれなかった人も話してくれるようになったらしくとても喜んでいました。

「あんたの顔見るとホッとするよ」と言ってくれたことにとても喜んでいて、「わかるわかる」とこっちまで初々しい気持ちになりました。

些細な一言かもしれませんが、利用者さんが私を頼りにしてくれている、私がいることで安心してもらえていると思うととてもうれしいし、やっててよかったなあと思いますよねぇ。

介護福祉士の目標として利用者の方々のQOL(クオリティーオブライフ)の向上、分かりやすく言うと生活の質の向上というものがあります。

高齢になると体が若い頃ように動かなくなることは当たり前です。
体の動きを向上させるようなリハビリテーションも大切ですが、心のケアも大切ですよね。

わたしも利用者の方々をホッとさせられるように頑張ります。

たまには自己紹介

たまには自己紹介→私はとある施設に勤務している20代後半の♀です。そろそろ利用者の方や仕事内容にも慣れてきたかな?って感じ(笑)。

特養なので、大病による後遺症で、半身麻痺や寝たきりの方、認知症の方など色々な方が生活してる。

認知症の方はとても多く、同じような話を何度もされたり、トイレに行ったことを忘れ、ものの5分でまたトイレに行きたいと言われる方もよくたくさんいる。あるおばあちゃんは、近くを通ると必ずと言っていいほど「あんたは誰かな?」と言われ、そのたびに「◯◯です」と答えてるんだけど、答えると「あー、そうだったね!」と毎回そのやりとりが…。可愛いからいいんだけどね。

介護の現状を知らない方は、きっとこのような場面で、

何度も同じことを言わないで。

何度もトイレに行きたいと言わないで。

と思う人もいるかもしれない。私も仕事を始めた当初はそうだったし。でも、今ではそのやりとりが楽しくて、わざわざおばあちゃんの顔を覗き込みに行ったりしている程。

「そうだったね!」の時の笑顔が愛しくてたまりません。

トイレでも、終わった後には「ありがとね」と言ってくれて、こっちも嬉しくなる。介護は大変なこともあるけど、その反面、とても楽しくてやりがいのある仕事でもある。

給料安いけど(笑)。

看護師さんは夜勤なしなのに…

看護師さんと闘うことは多い。

といっても、向こうの方が偉いから、いや、偉くはないんだけど…、うーん、やっぱり実質的には偉いか…(笑)。

ともかく偉いから、いろいろ怒られる。申し送りでも突っ込まれたりとか。

「バイタルは?」

「水分は?」

「OUTは?」

わからないよ!こっちはそんな細かいところまで見れてないよ。見ないといけないことなのかもしれないけど、介護の業務でいっぱいいっぱいだよ。ってなるから当然のことながら関係はあんまり良くない。

看護師は夜勤なしの求人がいっぱいあるのなんでよ!!」

なんてイヤらしい陰口が出てくることもある。

でも、嫌な看護師さんは実は1人で、手伝ってくれたりするいい看護師さんもいるわけだから、あんまり揉めたくないなぁってところ。

看護師さんと介護士の関係は複雑なのだ。

でもやっぱり仲良くやっていきたいなぁ。あと、お給料上げて欲しいなぁ。

いくつになっても異性が好き

私が働いている施設に入所している高齢者の男性は、認知症が進んでいて歩行状態も不安定なので、トイレに行く時や部屋から食堂までの移動時に職員が付き添うことになってる。

その男性は女性職員が付き添う時にはご機嫌に行きでれでれしているのですが、男性職員になるととたんに機嫌が悪くなり別人のように扱いにくくなる。

そのために手が空いている女性職員がいれば対応することになっているのですが、特に私のことは気に入ってくれているのかこの間夜勤の見回りに行った時には、「あんたでええわ」と自分の布団に入らないかと誘われた。

当然やんわりと断りましたが…。

ちょっとセクハラをしてくる時もあるのですが、なんとなく憎めずに許してしまう。

男性は認知症になっても高齢になっても、やはり女性が好きということには変わりがないのだなと、ほほえましいようなあきれるようなそんな複雑な感情。

ちなみに女性の高齢者で男性職員でないと嫌という人は少ないなぁ。

あ、でも機嫌が良くなる人はいるか。人間っていくつになっても。

夜勤手当が低すぎる

介護士には夜間の勤務もあり、うちの夜勤は16時から翌朝9時まで。

長丁場の勤務で2時間の休憩があり、翌日は夜勤明け、その翌日は休みとなっているんだけど、夜勤をすると体力と精神力をかなり使う。

昼間は入所者をたくさんの職員で見ていますが、夜になると介護士数人で見なきゃならないし、夜で寝ている人が多いと言うもののナースコールを連打してくる人もいて対応に追われることも。

交代で休憩に入るので一人で見ていることもありますし、気が抜けない。

とは言っても、夜中なので眠気が襲ってくることも。

忙しい時は良いのですが、ナースコールがならなくて何もすることがない時間帯もあり、そういった時にはうとうとしちゃいます。

っていうか、本当にうたた寝してしまってこともある…(笑)。

そうならないように、眠気覚ましのコーヒーを常に持っておいて飲みながら仕事をしたり、夜勤入りの時にたくさん寝てすっきりした状態にしておくように心がけてるんだけど、こんなに努力してるのに給料が安いのはなんでだーーーー!!!

認知症の方にもやり甲斐は必要

認知症になった人が施設にはたくさん入所しているけれど、認知症の人に対する働きかけでその人がまた全然違った様子になってくることがたくさんあることを実感しながら働いている。

ある高齢者は施設に入ってきた時には認知症が進んでいて、自分自身の意欲もなくなっていたけれど、施設でのおしぼりをたたむ仕事や花の水やりなどをお願いして、毎日続けてもらっていた。

そうしているうちにどんどん活き活きしてきて、顔の表情が輝いてきた。

認知症になっていても、誰かの役に立っている、自分の存在している価値がここでは認められているって思うことで、認知症の進行を防ぐことはできなくてもその人にとって豊かな生活ができるんじゃないかなと思っている。

一人一人の人に対してそうやって働きかけて、笑顔になってもらえた時や、施設に入る前よりも表情がぐっと良くなってきた時に、この仕事をしていて本当に良かったなという気持ちになるし、介護士としてのやりがいだと思う。